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車と財布と携帯は小さい方がいいという持論を持っているのだけど、あまり人に理解してもらえない。

SUVも長財布もiPhoneも、どうしても自分の身の丈には合わない。そもそも車は所有していないけど、購入するならきっと軽だろう。いっそコムスでも買ってみようかとも思う。

なかでもこだわりが強いのが携帯で、最近のスマホは大型のものばかりで困ってしまう。たとえば現行iPhoneの最上位モデル「iPhone 11 Pro Max」はディスプレイサイズが6.5インチ。こうなるとポケットにも入れづらく、片手で操作するのもままならない。

ちなみに、新しい機種が発売されるごとに巨大化してきたiPhoneだけど、今年は小型廉価版モデルであるSE2の発売が噂されている。さすがにこれ以上大きくするのは無理といったところか。あるいは、これからの時代はSamsungのGalaxy Foldのような折り畳み式スマホが主流になるのかもしれない。

そんな僕が使っているのが、中国のベンチャーUnihertzが開発した「Atom」だ。2018年にクラウドファンディングによって誕生したこのスマートフォン。最大の特徴はディスプレイサイズ2.45インチの超小型なボディで、アウトドア志向の強いモデルになっている。

キワモノにして一転特化型。けっして万人に受けるモデルではないだろう。だけど、多くのランナーにとっては、このコンパクトなサイズが魅力的に映るんじゃないかと思う。

そんなわけで、今回はこの「Atom」を紹介してみたい。

主要機種のディスプレイサイズ

現行の機種はどれもサイズが大きくて扱いづらい。参考までに、主な機種のディスプレイサイズを以下に並べてみよう。

メーカー モデル サイズ(インチ)
Apple iPhone 11 Pro Max 6.5
Huawei P30 Pro 6.5
Sony Xperia 8 6.0
Google Pixel 3a 5.6
Samsung Galaxy A20 5.8

こうして見ると、現行モデルでは6インチ前後が主流なのだろう。
逆に4インチ台のスマホを探すのは難しく、その選択肢はかなり限られてくる。こちらも参考までに4インチ台のスマホを列挙しておこう。

メーカー モデル サイズ(インチ)
Apple iPhone 8 4.7
SHARP AQUOS R compact 4.9
Sony Xperia XZ1 Compact 4.6
京セラ TORQUE G03 4.6
Palm Palm Phone 3.3

最後のPalm Phoneは2018年に開発され、翌年には日本に上陸を果たした超小型スマホだ。コンセプトとしてはAtomの対抗馬的な存在といえるだろう、

Unihertz Atomを1年間使ってみた感想

Atomを購入したのは2019年の1月だったので、およそ一年間にわたって使用したことになる。この小さなボディに愛着も湧いてきたところで、簡単にレビューをしてみよう。

Unihertz Atomの良い点

1ランナーには嬉しいサイズ感

Atomのディスプレイサイズは2.45インチ。まあこのサイズ感が目当てで購入したわけだけど、実際に持ってみると片手に収まる感じがいい。

特にランニングしてる最中に邪魔にならないのは嬉しい。別売の専用バンドを使えば腕に巻き付けて装着することができるし、面倒であればそのままポケットに入れるだけでも問題ない。重さも108gと気にならないレベルだろう。

2顔認証がなかなか優秀

Atomには指紋認証と顔認証が搭載されているが、このうち後者の精度は十分だと思う。たしかに暗い場所では反応しないこともあるが、多くの場合は指紋認証を待たずしてロックが解除される。

冬場のランニングでは基本的に手袋をつけているので、そのままでは指紋認証は使えない。いちいち手袋を外すのも面倒だし、顔認証でパスできるのは嬉しい利点である。

3電池持ちもそこまで悪くない

Atomのバッテリー容量は2000Ah。現行機種の多くは3000Ah前後の容量を積んでいるので、使い始めた当初はこの数字が若干心許なく感じられた。

ただ、1年使用した感想としてはそれほど気にならないレベルだと思う。さすがに四六時中アプリを使い倒せば半日も持たないけど、最低限メールやLINEのチェックをするぐらいなら、たとえ常駐アプリを起動させておいても朝から夜までは余裕で持ってくれる。そもそもディスプレイサイズが小さいので、そこまで電力消費を食うことがないのだろう。

Unihertz Atomの気になる点

1おサイフケータイには未対応

発売直前に「使えるのか?」と話題になっていたけど、結局搭載されなかったおサイフケータイ機能。NFC(電子決済などに使われる短距離通信規格)は搭載されているが、日本の通信規格であるFelicaには未対応となってしまった。

もしもおサイフケータイやモバイルSuicaが使えていたら、ランニング中に小銭をポケットに入れておく必要もなくなっただろう。少し惜しい点だけど、バーコード読み取り式のpaypayなら利用できるため、対応店舗であれば代用とすることもできる。

2バーコードが読み取れない

これは予想すべきことだったのかもしれないけど、あまりにコンパクトすぎて一部のアプリが正常に動作しない。もちろん入力が難しい点は承知の上で購入したのだし、それもフリック入力ならある程度は許容できるレベルだった。そうではなくて、アプリの会員証などでバーコードを表示する場合に、うまく読み取れないないことが多々あった。

Palm Phoneと比較すると?

超小型スマホとしてAtomと双璧をなすのがPalm Phoneである。
最後に両者のスペックを比較しておこう。

Atom Palm Phone
本体サイズ 96×45×18mm 50.6×96.6×7.4mm
重量 108g 62.5g
ディスプレイ 2.45インチ 3.3インチ
カメラ 1600万画素 1200万画素
バッテリー容量 2000mAh 800mAh

軽さと薄さに関してはPalm Phoneに軍配が上がるだろう。一方でバッテリー容量やカメラ性能に関してはAtomの方が優っている。
また上の表には記載していないが、AtomのみDSDVに対応しており、2枚のnano SIMを同時に挿して使うことができる。一枚目には大手キャリアの通話プランを使い、二枚目には格安SIMのデータプランを使う、といった活用方法も考えられるだろう。ちなみにストレージもAtomの方が大きいので、より自由度が高いといえるかもしれない。

最後に

今回は超小型スマホであるUnihertz Atomを紹介した。
ゲームや動画を楽しむのには不向きなため、メイン機として使うのは難しいかもしれない。それでも、毎日スマホを装着して走っている人にとっては、サブ機として検討してみてほしい。

「小さいは正義」だということは、誰よりもランナーがよく知っている。